薄毛に悩んで病院を訪れると、医師の診断に基づいて、ご自身の薄毛の原因やタイプ、進行度合いに合った様々な治療法が提案されます。病院で受けられる主な薄毛治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。まず、最も一般的かつ効果が期待できる治療法として挙げられるのが、薬物療法です。薄毛の原因によって使用される薬は異なります。男性型脱毛症(AGA)の場合、内服薬(フィナステリド、デュタステリド)と外用薬(ミノキシジル)が治療の中心となります。内服薬はAGAの原因物質に作用して進行を抑え、外用薬は血行促進や毛母細胞の活性化によって発毛を促します。女性型脱毛症(FAGA)の場合、主にミノキシジル外用薬が用いられます。これらの薬は、医学的に有効性が確認されており、医師の処方箋が必要なものや、薬局で薬剤師からの説明を受けて購入できるものがあります。円形脱毛症など、他の原因による薄毛に対しては、ステロイドの外用薬や局所注射、内服薬、あるいは免疫抑制剤などが用いられることがありますが、これらの薬は原因疾患の治療として保険適用となる場合があります。次に、薬物療法以外の専門的な治療法としては、注入療法があります。これは、髪の成長に必要な成長因子や栄養成分、あるいは自身の血液から抽出した成分(PRPなど)を、細い針や専用の機器を使って頭皮に直接注入する治療法です。毛母細胞の活性化や頭皮環境の改善を図り、発毛を促すことを目的としており、薬物療法と併用されることもあります。メソセラピーや自己血小板注入療法(PRP療法)などがこれに該当します。これらの多くは自由診療となります。さらに、より進行した薄毛や、毛根が死滅してしまった部分に対しては、自毛植毛という治療法があります。これは、自身の健康な毛包を薄毛が気になる部分に外科的に移植する手術です。移植された毛包からは半永久的に髪が生え続ける効果が期待できます。広範囲の薄毛に対して有効な手段ですが、外科手術であり、費用が高額であること、施術に時間がかかることなどが特徴です。その他、特定の波長の光を照射して毛母細胞を活性化させる低出力レーザー治療や、頭皮の炎症やかゆみなどを改善するための専門的な頭皮ケアなども、薄毛治療の一環として病院で行われることがあります。
病院で受けられる薄毛の治療法