ふと鏡を見た時、いつもより分け目がくっきりと目立つように感じたり、地肌が透けて見える範囲が広がったように思えたりすると、「もしかして、これははげの始まりなの?」と不安になるものです。特に女性の場合、分け目部分の薄毛は、髪全体のボリュームダウンにつながり、見た目の印象を大きく左右するため、深刻な悩みとなりがちです。では、分け目が目立つことは、必ずしも「はげ」と言えるのでしょうか。結論から言えば、分け目が目立つ原因は様々であり、一概に「はげ」と断定することはできません。しかし、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)といった進行性の脱毛症の初期症状として、分け目部分から薄毛が進行するケースは実際に多く見られます。これらの脱毛症は、特定のホルモンの影響や遺伝的要因などが絡み合って発症し、放置しておくと徐々に薄毛の範囲が広がっていく可能性があります。また、牽引性脱毛症といって、長期間同じ分け目を続けたり、髪を強く引っ張るようなヘアスタイルを続けたりすることで、分け目部分の毛根に負担がかかり、薄毛を引き起こすこともあります。さらに、頭皮環境の悪化も分け目が目立つ原因の一つです。乾燥や炎症、血行不良などが起こると、健康な髪が育ちにくくなり、分け目部分の髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。加齢による髪質の変化や、全体的な毛量の減少も、分け目を際立たせる要因となり得ます。大切なのは、分け目が目立つようになった原因を正しく把握することです。一時的なものなのか、それとも進行性の脱毛症のサインなのかを見極め、適切な対策を講じることが、将来の髪を守るためには不可欠です。不安な場合は、自己判断せずに専門医に相談することをお勧めします。
1月16