多くの人が単なる体質だと片付けてしまいがちな頭皮のベタつきやフケの発生ですがこれらは決して楽観視できるものではなく脱毛へのカウントダウンが始まっていることを告げる警鐘であると捉えなければなりません。皮脂は本来頭皮を保護する役割を持っていますが必要以上に分泌されると毛穴を塞ぎ酸化して過酸化脂質へと変化することで毛根に深刻なダメージを与え炎症を引き起こす原因となり、この炎症こそがヘアサイクルを狂わせ抜け毛を誘発する元凶となるのです。特に細かい粉のようなフケが出る場合は頭皮が乾燥しバリア機能が低下しているサインであり、逆に湿った大きなフケが出る場合は常在菌であるマラセチア菌が異常繁殖している可能性が高く、いずれの場合も頭皮環境が極めて劣悪な状態に陥っていることを示しています。頭皮の色をチェックした際に健康的な青白い色ではなく赤っぽく充血しているようであればそれは慢性的な炎症が起きている証拠であり、その状態で放置すれば毛母細胞の働きが阻害され健康な髪が生えてこなくなるのは火を見るよりも明らかです。市販の洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシと洗うことは逆効果になる場合が多く必要な皮脂まで奪い去ることで防御反応としてさらなる皮脂分泌を招くという悪循環に陥るため、アミノ酸系の優しいシャンプーを使用しぬるま湯で丁寧に洗い流すという正しいケアへの転換が急務であり、頭皮からの不快なサインを無視することは自らの髪を放棄することに等しいという危機感を持って日々のケアにあたることが求められます。あれは三十代半ばの仕事が最も忙しい時期のことでしたが当時の私はシャンプーのたびに手に絡みつく髪の毛の量が増えていることに気付きながらも、季節の変わり目だからとか疲れが溜まっているからだとか適当な理由をつけて見て見ぬふりをしていました。朝起きると枕に数本の抜け毛が付いているのが当たり前の光景になり、オフィスのデスクでパソコンに向かっているとキーボードの上にパラパラと髪が落ちてくることさえありましたが、まだ自分は禿げる年齢ではないという根拠のない自信が正常な判断力を奪っていたのでしょう。しかしある日エレベーターの防犯カメラのモニターに映った自分の頭頂部が照明の下で無残にも透けているのを偶然目撃してしまった瞬間に血の気が引くような衝撃を受け、それまで無視し続けてきた数々のサインがすべて現実の薄毛へと繋がっていたことを突きつけられ激しい後悔の念に襲われることになりました。もしあの時シャンプー時の抜け毛の増加を真剣に受け止めていれば、もし枕元の抜け毛を警告と捉えてすぐに対策を講じていれば、これほどまでに進行を許すことはなかったはずであり、失われた髪を取り戻すために費やすことになる時間と金銭的コストを考えれば早期発見の重要性は計り知れません。私のよう手遅れになる前にわずかな異変を感じ取ったら即座に行動を起こすべきであり、「まだ大丈夫」という自己暗示こそが最も危険な敵であることを私の失敗談から学び取っていただきたいと切に願うばかりです。
頭皮のベタつきやフケは脱毛へのカウントダウン