「薄毛が気になり始めたけれど、まだ病院に行くほどではないかな…」と迷っている方もいるかもしれません。しかし、薄毛の対策は早期に始めるほど効果が期待できる場合が多いです。では、どのようなサインに気づいたら、病院(皮膚科や薄毛治療専門クリニック)に行くべきタイミングと言えるのでしょうか。まず、抜け毛の量が明らかに異常に増えたと感じる場合です。一日に100本以上の抜け毛が続く場合や、シャンプーやブラッシング時にごっそりと塊になって抜ける、あるいは軽く髪を引っ張っただけで簡単に抜けてしまうような場合は、正常な範囲を超えている可能性が高いです。特に短期間に急激に抜け毛が増えた場合は注意が必要です。次に、特定のパターンで薄毛が進行している場合です。男性の場合、生え際がM字型に後退したり、頭頂部がO字型に薄くなったりするのは、男性型脱毛症(AGA)の典型的なサインです。女性の場合、分け目や頭頂部を中心に全体的に髪が細くなり、地肌が透けて見える範囲が広がるのは、女性型脱毛症(FAGA)やびまん性脱毛症のサインとしてよく見られます。これらの特定のパターンでの薄毛は進行性であることが多いため、早期の専門的な診断と治療が重要です。また、円形脱毛症のように、境界がはっきりした丸い脱毛斑が突然現れた場合も、速やかに病院を受診すべきタイミングです。円形脱毛症は自己免疫疾患などが原因と考えられており、自然に治ることもありますが、進行したり再発したりすることもあるため、皮膚科医の診断が必要です。さらに、頭皮に痛み、強いかゆみ、赤み、ただれ、大量のフケといった炎症性の症状を伴う抜け毛も、病院に行くべき重要なサインです。これは脂漏性皮膚炎や頭部白癬(しらくも)など、頭皮の病気が原因で薄毛になっている可能性が高く、原因疾患の治療を優先する必要があります。これらの皮膚疾患は、放置すると薄毛が進行したり、痕が残ったりする可能性があるため、速やかに皮膚科を受診しましょう。そして、ご自身の薄毛の原因が分からない、市販薬やセルフケアを試しても改善が見られない、あるいは悪化しているといった場合も、専門家への相談を検討すべきタイミングです。自己判断に限界を感じたら、迷わず病院の門を叩きましょう。