「最近抜け毛が増えた」というのは、多くの方が薄毛を意識し始める最初のきっかけかもしれません。しかし、「禿げる前兆」は、目に見える抜け毛の増加だけに現れるわけではありません。むしろ、もっと初期の段階で、髪や頭皮に様々なサインが出ていることがあります。これらのサインに早期に気づき、適切な対策を講じることが、薄毛の進行を遅らせるためには非常に重要です。例えば、髪の毛一本一本が以前よりも細くなった、ハリやコシがなくなってきた、と感じることはありませんか。これは「軟毛化」と呼ばれる現象で、髪の成長サイクルが乱れ、太く健康な髪が育ちにくくなっている証拠です。特に、頭頂部や生え際の髪と、側頭部や後頭部の髪を触り比べてみて、明らかに太さや質感が異なる場合は注意が必要です。また、頭皮の状態も重要なチェックポイントです。頭皮が硬くなった、あるいは逆にぶよぶよと弾力がない、赤みがかっている、フケの量が増えた、かゆみを感じるようになった、といった症状は、頭皮環境が悪化しているサインです。健康な髪は健康な頭皮から育つため、頭皮のトラブルは髪の成長に悪影響を及ぼし、薄毛を助長する可能性があります。さらに、スタイリングがしにくくなった、というのも見逃せない前兆の一つです。以前はワックスをつければ簡単にセットできた髪が、うまくまとまらなくなったり、ボリュームが出にくくなったりした場合、髪全体の密度が低下しているか、髪質が変化しているのかもしれません。朝起きた時の枕元の抜け毛の数や、シャンプー時の排水溝に溜まる髪の量だけでなく、ブラッシングの際に櫛やブラシに絡まる毛が増えたと感じる場合も、注意深く観察しましょう。これらのサインは、一つだけ現れることもあれば、複数同時に現れることもあります。些細な変化であっても「気のせいだろう」と片付けず、自分の髪と頭皮の状態に意識的に注意を払うことが、将来の髪を守る第一歩となるのです。
抜け毛だけじゃない禿げる前兆を見逃すな